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ファイヤーウォール

FIREWALL



鑑賞したのは、先月の10日。まだ1ヶ月は経っていないのだが、細かい部分は早くも忘れ始めている。なにしろ、見ている時にこう思ったのだ。「見て1ヶ月後はほとんど覚えていないだろうな〜」まあ、1ヶ月後というのはちょっと大袈裟だけれど、1年後は確実におおかた忘れているだろう。誤解のないように言っておきたいのだが、内容がからっぽだということを言っているのではなく、徹底的に観客を楽しませるという娯楽性を重視している映画だということ。こういう娯楽性の強い映画は、たいていしばらくしたら内容を忘れてしまうものなのである。

最近好きなのが「へたれ」と言う言葉だったりする。主人公のジャック・スタンフィールドを演じているハリソン・フォードは、まさにこの「へたれ」という感じがして、とてもいい。ふたりの子供がまだそれほど大きくないのに、ジャックは初老の男である。晩婚だったのかなあと思いながら見ていると、会社でも、どう考えても幹部クラスの年齢のはずなのに、そうでもない。明らかに、この主人公はもっと年が若くなくてはいけないはずだ。それなのに、ハリソン・フォードがジャックを演じている。どうしてなんだろう??と思ったのだけれど、年齢からくる衰えのようなものが、ジャックというキャラクターにぴったりだったのかもしれない。「へたれ」具合がなんともうまいぐあいにマッチしているのである。

とんでもない方法で、銀行のお金をごっそり盗みだそうとする窃盗団の首領ビル・コックスを演じているのは、ポール・ベタニーである。この俳優さんこそ、カメレオン俳優というべきだろう。映画を見るたびに違う人に見える。とても「マスター・アンド・コマンダー」のスティーヴン・マチュリンに見えなかった〜(>_<) どこまでもワルで残酷で冷徹。ラストはジャックにやっつけられるんだろうなあと最初っからわかっているのだけれど、やはりそのシーンは手に汗握る。やっつけられかたも、残酷でいい感じ(笑)。インパクトはばっちりである。

レンタルになってから見ても充分な映画だろうとは思っていたが、こういう映画をデートではなくひとりで映画館に見に行くのもまたおつなものである。なにより、少し捻りのある設定が気に入ってしまった。ベタニーも最高だったしねえ。大画面で見たからこそ、満足できた、ということもある。娯楽映画はこうあるべきだ。満足、満足(^^) ★★★
 
2006年アメリカ
リチャード・ロンクレイン監督

by momorosebanana | 2006-05-01 08:23
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