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太陽

SOLNTSE
LE SOLEIL
THE SUN



詳しいことはよく知らないのですが、この映画は日本では公開は無理だと言われていたそうです。そんな映画が公開されたのですから、見に行くしかない!と思って駆けつけました。カップルなどほとんどおらず、ひとりで見に来ている人ばかりでした。さもありなん。

終戦前後の昭和天皇が描かれています。アレクサンドル・ソクーロフ監督は、歴史上の有名な人を4部作として作っているそうです。一人目はヒトラーで「モレク神」、二人目はレーニンで「Telets」、そして3人目が日本の天皇裕仁だったわけです。4人目は誰なんでしょう? ちなみに「モレク神」はコメディのようです。機会があったら是非とも見てみたいですね。この監督の映画は初見と思っていましたが、「エルミタージュ幻想」を見ていました。そうか〜、あの映画の監督さんだったのか〜、と思い、優雅でちょっとシュールな映画を思い出しました。90分ワンカットという、かなり実験的な映画でした。

天皇裕仁を演じているのは、イッセー尾形です。風貌は全く似ていないのに、何となく天皇陛下に見えてきてしまうから不思議です。やはりプロ根性って凄い!と思いました。口元を意味もなくぱくぱくさせる仕草(意味もないから癖と言うんでしょうけど)が強調されていて、申し訳ないのですがかなり滑稽に見えました。天皇陛下が皇居の中で、どんな私生活を送っているかなんて、侍従以外は誰も知らないことです。映画を作るにあたって、侍従に取材できたとはとても思えませんから(笑)、すべては想像と独断で作られたに違いありません。どこから見てもとても皇居には見えない、まるで要塞のような地下室が印象的と言えば印象的でした。侍従だって、もっと数が多いはずです。なんとも不思議な空間が広がっていました。

普段映画をあまり見慣れない人には、相当に退屈な映画ですので要注意です。日本人なら誰でも興味がある天皇陛下の私生活をたとえ作り物でも見てみたい!と思って見に行く人は多いようですけれど、おおかたの人はがっかりするのではないかなあ。私は、ストーリーのないような映画とか、やたら暗い映画とか、ちょっと意味不明なシュールな映画とかを見るのがそれはもう好きなので、全く問題なく最後まで見られました。お世辞にも「とても面白かった」とは言えませんが、天皇裕仁を影像化した、というだけでとてつもない(?)価値があると思います。あとはやはり、イッセー尾形さんの演技力、表現力でしょうね。彼の存在感はたいしたものです。繰り返しになりますけど、似ていないのに似せて見せてしまう力には脱帽しました。彼を見るだけでも、これまた価値があります。★★★★

2005年ロシア・イタリア・フランス・スイス
アレクサンドル・ソクーロフ監督
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by momorosebanana | 2006-09-14 09:48

愛と死の間で



目当ての映画が満員でチケットを買うことができなかったため、仕方なく見た映画です。どうしても見たいと思った映画を映画館に行って見ることがほとんどなので、「仕方なく」という状況はかなり珍しいほうです。まあ、たまにはこういうパターンもいいかなあと思いますが、目当ての映画が見られなかった悔しさは残りますねえ(笑)

久々の恋愛映画でした。恋愛ものは、ロマンティックな設定がつきものです。さもなければ、ありえないシチュエーションがあったり。この映画の場合は、主人公の相手の2度の死です。最初は最愛の妻。2度目は、その妻の心臓を移植した心臓病を患う女性。相手に死なれてしまうというメロドラマは何度か見たことがありますけど、これを2回もやられてしまうというのは初めて見ました。

主人公コウ(アンディ・ラウ)の職業は医者で、仕事が忙しく、結婚してもほとんど妻とゆっくり時間を過ごすことができませんでした。そのうちに、そのうちに、と先延ばしにしているうちに、妻は交通事故で死んでしまうのです。ひとは誰でも、まさか自分の身近な人が突然死んでしまうなんて思っていません。生きていると思うからこそ、何でも先延ばしにしてしまうのです。一瞬先に何が起きるかわからないと、頭では知っていても、リアルに想像はできません。この映画を見てつくづく、何事も思い立ったらすぐにやるべきだなあと思ったしだいです。

コウの妻チーチンを演じているシャーリーン・チョイという女優さんが可愛らしくていい感じでした。心臓移植を受けたユンサムを演じているのはチャーリー・ヤンという女優さんで、見覚えがなかったんですけど、「セブンソード」に出ていたんですね。すっかり記憶から消えてました。最近は、ますます名前と顔を覚えられなくなってきてます(;_;)

凝った演出で、ありがちなストーリーを捻っています。ちょっと懲りすぎという感じもしました。回想シーンが出てくるのですが、現在と過去を同じ画面にしているのはちょっとどうかなあと思いましたねえ。時間を自由に行き来しているような錯覚を作り出しているのでしょうけれど、見ている方はその時間がいつなのかわからなくなることが多いので、どうしてもとまどってしまうのです。

アジア映画が好きな人や、アンディ・ラウのファンの人ならはずせないと思いますが、そうでもない人は見ても「ふうん…」止まりかもしれません。かくいう私もそうでした(;^^)ヘ..★★★

2005年香港
ダニエル・ユー監督
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by momorosebanana | 2006-09-12 16:04

スーパーマン リターンズ

SUPERMAN RETURNS



実は、7月に試写会で早々と見ていたんですよね。レビューを書かなくちゃ、書かなくちゃ、と思っていたのですが、超にウルトラやスーパーが付くくらいスランプで、どうしても書けませんでした。本当に困ったもんだわ…(>_<)

最初のポイントは、完全な続編であるので、今までのシリーズを見ていたほうがずっと楽しめる、ということです。クラーク・ケント(ブランドン・ラウス)とロイス・レイン(ケイト・ボスワース)のロマンスがかなりの部分を占めていますから、ふたりのなれそめなどがわかっていないと、ピンと来ないと思われます。まあ、全然見たことがなくても、憶測はできますけどね。

次に、なんと言ってもブランドン・ラウスを見て欲しい!ということ。オーディションで選ばれたそうですが、選ばれただけあって、クリストファー・リーブの面影が充分にあり、違和感がほとんどありません。よく見つけたよなあって思います。私は彼の美しいブルーの瞳に魅せられてしまいました。実に綺麗な目です。正義の味方の象徴ではないでしょうか。すばらしい!もちろん、彼の演技もなかなかのものです。新人ということや、2番手であるというプレッシャーもたくさんあったでしょうに、そういうものも感じさせず、自然体で演技しているのがいいです。

脚本も上出来です。中だるみもなく、見せ場も要所要所にあり、最後まで全く飽きることがありません。ぜひとも映画館の大画面で古典的正義の味方ヒーローの大活躍を堪能してください。デートムービーにも最高だと思います。★★★★

2006年アメリカ
ブライアン・シンガー監督

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by momorosebanana | 2006-09-11 10:46

出口のない海



とうとう、8月はまるまるお休みしてしまいました。猛反省しているところです。「毎日更新!」がサイトの目玉だったのに、人間落ちれば落ちるもんだわ…(;_;) 反省するだけなら誰でもできます。9月になったことですし、ぼちぼちエンジンをかけないと!というわけで、久々にレビューを書きます。大丈夫かいな。(笑)

試写会の招待状をいただいたので、映画仲間といっしょに見てきました。予告編は何度か見ていたので、だいたいの内容はわかっていました。タイトルもそのまんまですしね。「回天」という人間魚雷特攻があったことは、何年か前のテレビのドキュメンタリー番組で見て知っていました。脱出口もなく、後退もできず、ただ、敵艦に突っ込んで行くだけのために作られた、世にも恐ろしい兵器。空の特攻隊は有名ですが、海にもあったことは、案外知られていません。その事実を知らしめることができるだけでも、この映画の意義は充分にあると思います。

テレビで見たことがあったせいか、主演の市川海老蔵がこれで映画デビューというのは意外な気がしました。ものすごく演技が上手、とは言えないのですが、真摯で自然体に演じていて、とても好感を持ちました。甲子園の優勝投手、卒業後は大学のリーグ戦で活躍する名ピッチャーという役どころを、実にさわやかに演じています。こんなに優秀で前途有望の若者たちが大勢、海や空やジャングルの奥地等で命を散らせていったのかと思うと、心底やりきれなくなります。

映画そのものはよく出来ていると思いました。原作はベストセラーだということですし(読んでませんが)ストーリーも映像もなかなかしっかりしています。たったひとつ残念だったのは、俳優さんたちの台詞がよく聞き取れないシーンが多かったこと。はっきり発音していないのか、音声の係がうまく音を拾っていないのか、何が原因なのかよくわかりませんが、なんと言っているのかわからない、というのは映画にとって致命傷です。それを何とかして欲しいと思いました。

きっと泣くだろうと思ってハンカチを手にして見ていたのですが、なぜか全く泣けませんでした。たまたま、見た日の私の精神状態が同調できなかったんでしょうか。

公式サイトは、切ないメロディのテーマ曲が流れていて、雰囲気いいです。興味のある方はどうぞ。こちら

★★★

2006年日本
佐々部清監督
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by momorosebanana | 2006-09-01 10:10