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ヒストリー・オブ・バイオレンス

A HISTORY OF VIOLENCE 



デヴィッド・クローネンバーグ監督の最新作ということだけで、見たい!と思いましたが、なんと主演は大好きなヴィゴ・モーテンセンというではありませんか。内容も、かなり重めのテーマのドラマでありながら、サスペンス/ミステリーの要素が強く、最後はいったいどうなるんだろう?という期待感が持続して、実に見応えのあるものでした。96分という、最近にしては短めの映画なのですが、とても96分には思えません。もっと長く感じました。これ以上長かったら、かなりキツイですね。

平穏で、幸福を絵に描いたような一家。特に夫婦仲は羨ましいくらいに仲むつまじく、結婚して何年たってもアツアツのラブラブってすごいなあ、などと思っていると、徐々に不穏なエピソードが始まります。妻のエディ(マリア・ベロ)は、愛する夫であるトム(モーテンセン)の過去に疑いを持ち始め、やがては恐怖すら抱くようになるのです。夫の過去とはいったいどんなものだったのか…

結婚相手の過去を知らずに結婚することはよくあることだと思います。素性を隠して、新しい暮らしを始めるために別の土地で結婚する。ところが、彼(彼女の場合もありますが)には、暗い過去があり、それが原因となってサスペンスが始まる。こういうパターンは以前にも何本か見たことがあります。見るたびに、「素性がよくわからない人と結婚するのは危険だよなあ」って思うんですが…(笑)でもまあ、映画ですから、見ているほうとしては、はらはらドキドキがたまらないわけです。

この映画のテーマになっているのは、暴力です。暴力、とひとくちに言っても、いろいろな描き方があるわけです。この映画は、いわゆるバイオレンス映画ではないので、よけいに暴力的な部分が浮き彫りにされたように見えてくるのです。さらに、描かれている暴力シーンが、非常にリアルで冷徹なので、頭にドカンと来るんですね。ギョっとしてしまう、というとわかりやすいかな。アメリカが銃社会であることもよくわり、銃の怖さをあらためて感じます。

一番素晴らしいと思ったのは、やはりラストシーンです。「ナレーションや台詞ではなく、映像で語らせる」ということがどういうことであるのか、ほんとによくわかります。これが映画なんだ!!と強烈に感じましたね。このラストシーンのために作られた映画なのではないかな、と思ったくらいです。素晴らしすぎる!!他のシーンは忘れてしまっても、あのラストシーンだけは絶対に忘れないでしょう。どちらかというと地味目な映画ですが、メッセージ性が強く、はっきりしているので、深い印象でした。映画館に足を運んで見て、ほんとによかったと思います。★★★★

2005年アメリカ・カナダ
デヴィッド・クローネンバーグ監督
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by momorosebanana | 2006-04-09 13:13
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