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ダ・ヴィンチ・コード

THE DA VINCI CODE



今年最大の話題作、なんでしょうね。おそらく、ふだんあまり映画館に行かない人も、これはちょっと見てみよう、と思うのかもしれません。原作が超のつくほどのベストセラーになりましたから、映画化されるのも無理からぬことですし。

ところが、ここに大きな落とし穴があるのです。ふだんあまりベストセラーを読まない+ふだんあまり映画館に行かない人が、この映画を見た場合が最も悲惨と思われます。つまり、この映画は、原作を読んだ人を対象に作られていると言って過言ではないのです。上下2巻のたっぷりボリュームのある原作を、ほぼ略すことなく2時間半に作っているので、息つく暇もありません。原作を読んでいた私ですら、必死で映像を追いかけ、必死で字幕を読み続け、かなり緊張感を強いられましたから…。たぶん、原作を読んでいない人は、わけがわからないと思います。

話題作だから見に行こうかなあ、と思っている方へ警告です。どうしても見たいなら、ぜひ原作を読んでから見に行ってください。原作はもうばっちり読んでいるから大丈夫、という方へ。見る前日は、しっかり睡眠をとっておいてくださいね。寝不足で映画館に行くと、大損します。相当な集中力を必要とされますから(^_^;) 映画とは、本来、誰が見ても楽しめるものがいいと思うのですが、原作によってはこういう条件つきの映画になってしまうんだなあ、と痛感します。

トム・ハンクスはミスキャストだとか何とか言われているようですが、私はそれほど違和感なく見られました。オドレイ・トトゥは、今まで風変わりなキャラの役ばかり見ているので、どんなものかなあと思っていました。それなりに熱演していますが、もっと知的な感じがあったらよかったかもしれません。シラスを演じているのはポール・ベタニー。「ファイヤーウォール」でものすごい悪役ぶりを見たばかりです。最近は悪役づいているのかなあ。好きな俳優さんなので、ぜひともまた「マスター・アンド・コマンダー」のスティーヴン・マチュリンみたいないい人役の彼を見てみたいものです。イアン・マッケラン、アルフレッド・モリーナ、ジャン・レノ、この3人はハマり役でしたね。原作のイメージとほぼ同じでした。

カンヌ映画祭でのエピソードは、なかなか興味深いものがあります。もしかしたら、今度のラジー賞総なめとかいう噂もちらほら…。私はそこまでひどい出来だとは思いませんでしたが、やっぱりあの原作の映画化はすんなりとうまくいかなかったのかなあと思いますね。ちょっとお気の毒な映画です。個人的にはとても面白いと思いましたので、★★★★

2006年アメリカ
ロン・ハワード監督

by momorosebanana | 2006-06-03 12:24
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